“mezzotint



宇宙飛行士が、情け容赦の無い荒野に立っている。
何ヶ月も脱いでいないのか、ヘルメットの中の顔は脂染みて、落ちくぼんだ目でこちらを見ている。

あれは俺だ。
ずっと昔に捨てたはずの俺、望んだ場所に立っていた俺、誰からも自由だった俺、その未来だ。

そこは快適か?俺には分からない。
だれか教えてはくれないか、と荒野を見回したが、ここには俺しかいなかった。