“mezzotint




 夢の中で、私はスパイになっていた。敵国
の基地に潜入して、破壊工作を行うのだ。窮
地を機転で乗り越え、敵将校の娘とのロマン
スを経て、ついに敵国の新型ミサイルを見つ
け出し、それを無力化した私は、一人乗りの
潜水艦で逃げ出そうとしていた。     
 船着き場には敵兵と将校が居た。私は彼ら
を殺すべく、小型のミサイルを撃とうとした。
小さなトランクに見せかけたこれは、側面を
ポンと叩くと小型ミサイルが発射される、そ
ういう秘密武器だったのだ。       
 だが、幾ら叩いてもミサイルは出てこなか
った。私はあせって逃げ出した。敵兵達が、
私めがけて鉄砲を撃つ気配がした。誰も彼も
が潜水艦に乗り込み、濁った海へと沈んでい
った。                 
 そこで私の目は覚めた。