“mezzotint



写影室に入った時、かすかに湿った空気が顔をなぜた。
天井近くにある小さな窓から、黄色がかった日差しがホコリを照らし出している。

「ずいぶん洒落た格好をしてきたんだな。」と、先に来ていた彼に声をかけた。
「まあ、こんな時くらいはなあ。」気のないそぶりで彼が返した。

画家が肖像画を描いているあいだ、じっとしながら彼はどんな顔をして動きを留めているのかを考えていた。